<<05-01 ロッソ>>

帰宅すると・・・いつもなら夕食の匂いが立ち込めているのに・・・


仕事部屋を覗くと、ディスプレイに見入る彼が居た。


ごめん、今日は料理できていない、非常食を用意してよ。


非常食として、レトルトのカレーやパスタソース、缶詰やパックご飯を蓄えている。


本来なら災害対策なのだが、備蓄の入れ換えを兼ねて、こーいうときには重宝する。


サラダだけ手作りし、レトルトカレーとパックご飯を"チン"する手筈を整えて、彼に声をかけた。


返事も無く出てくる気配も無いので、再び仕事部屋を覗くと、ハンガーに吊られた私の下着を、ボーッと眺めている。


恥ずかしい・・けど、嬉しい・・


傍に寄る私の腰に廻した手が下がり、お尻を撫で回す。


スカートと上着は着替えたけど、その下はカッチリ系のままよ、パンティラインは見つからないでしょ。


やがて、椅子から滑りおちながら私を抱き寄せ、膝まづいてお腹に頬擦りし、唇を寄せる。


その姿勢と仕草は、お風呂でしてくれる「立ちクンニ」そのもの。


頭を引き寄せて恥丘を圧しつける・・代わりに、腰をかがめて優しいキス、ご飯にしましょ・・・


食卓には"チン"したカレーとサラダだけ、ひとりだと悲しくなるだろう。


でも彼と二人、小さなテーブルの下で、否応なしに足が触れ合うことさえ、心地よい。


今日は良いアイデアが浮かばなかったの? 私の下着は役立たずだったの?


ねぇ・・・プレゼントしてくれたあの下着、何処で買ったの?


いゃぁ~~ランジェリーシッョプなんて恥ずかしくてはいれないよぉ~~


ネット通販だよ、見せてあげる。


仕事部屋に戻り、私を膝に載せたまま、マウスを操作して・・ほら、これ!


そこには、あのディコラティブな下着のシリーズがあった。


あはっ、ブラもあるんだ、ね、なぜブラは買わなかったの? 私のおっぱい、嫌いなの?


君のおっぱい、大好きだよ、大きさも形も、大好き・・・でもね、ブラってサイズが沢山あって・・・


そりゃそうだ、と、彼の言い訳(?)に納得し、スクロールする画面を見ていると、あっ、これっ!


恥ずかしい思いをしながら買った、エッチな下着、いま彼のハンガーに吊られているあの下着があった。


知ってたんだ! だから、包みを解いた瞬間に判ったんだ!


前から見たら普通のショーツ、だが後姿は・・二本の紐がお尻の膨らみを走っているだけ。


これを着けた君の姿を見たい、でもね、いきなり「コレ着けて」と目前に突きつけたら、君は・・


だからね、君がコレを「プレゼント」してくれたとき、とっても嬉しかったんだよ。


膝に載せた私を抱く腕に力が入った。


逃げないで、逃げちゃダメ、逃がさないよ、と言いたげな抱擁に、頭を強く抱き締めて応える。


やがて互いを抱き締める力が緩み、彼にキスしてあげた。


次に着せたい下着はどれ、と尋ねると、にっこり笑って、こんなのどぉ、と彼が開いたページには、ちっちゃなTバック!


真っ赤な下着、持ってないよね! これに合うガーターベルトを探さなくっちゃあ・・!