<<16-01 金曜日>>

木曜のお風呂で、彼が囁いた。


明後日はお休みだから、明日の夜は、明け方迄でも楽しめるよ・・


あのロープ、やっと使えるね・・、今日はその準備、ツルツルにしようね・・


そして今朝、寄り道しないで帰っておいで・・、と、送り出してくれた。


駅へ向かう途中、体がむずむずして、歩けなくなった。


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実は、・・職場では数日前から、どこか上の空、みんなにからかわれていた。


「ぼんやりしてるけど、どーしたの? 彼氏とケンカしたの?」


「ほらほら、職場では、彼氏のことを忘れなさい!」


不思議なことに、みんなが「彼氏」を絡めてからかう。彼のコト、誰にも話していないのに・・


でも、私が上の空である原因は、確かに彼だった。いや、彼とあのロープ、が原因だった。


研究ばかりで、なかなか実践しようとしない彼に、少し苛立っていた。


ねぇ、あの衣装、早く纏わせて!


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今夜やっと・・、他のことはなにも考えられず、とてもオシゴトにはなりそうもない。


意を決して、サボることにした。


数日前から体調が良くなかったのですが、今日は特に・・、休ませてください。


彼のマンションへ引き返す足取りは軽かった。



ロックを外し、ドアを開ける。物音に気付いた彼が、仕事部屋から出てきた。


驚く彼の胸に飛び込み、譫言のように囁く・・、さぼったの・・、ねぇ、縛って・・


長いコト待たせたもんね・・、今夜まで待ちきれないんだ・・、判った・・、さっき始めたセッションを中断しなきゃ・・


あれこれに少し時間がかかる、その間に、君ね、シャワーしてお化粧を落として。


その後、白いキャミと紐Tを着けて・・あ、ガーダーベルトはいらないよ、他のモノを巻き付けるから!



おっぱいを隠すようにバスタオルを抱え、バスルームを出たとき、仕事部屋のドアが開いた。


足を止め、微笑む彼が言う。隠さないで・・、全身を見せて・・


その声で、恥じらいが薄れ、タオルを持つ手を下げ、胸を突き出した。


私を見つめる彼の股間が大きくなり、柔らかい部屋着が"テント"を張った。


その様子が可笑しくて嬉しくて、からかうような口調で、・・脱いだらどお・・


素っ裸になった彼が、そそり立つ坊やを揺らしながら近づいて、抱き締めてくれた。