<<16-04 ひとやすみ>>

床に横たわる私の傍に、座り込む彼。


二人、抱き合う元気さえないほどにグッタリしていたけれど、私は、小さくなった彼の坊やを握り緊めていた。


どれほどの時が流れたのか、捲れ上がったYシャツからはみ出すキャミを摘まんだ彼が、ぐちゃぐちゃになっちゃったね、いったん解こうか・・


手を引いて立たせ、Yシャツを脱がせる。


背中に手を廻し、結びを解いた・・、お腹にあった亀の甲が崩れた。


左右の潰れたおっぱいの中ほどを緩め、形を整えるかのように、両手で掬い上げる。


恥丘の前にしゃがみ、足の付け根に巻き付くロープを解く。


立ち上がり、肩にかかったロープを落として抱き締め、囁いた。


ねぇ、どこか、ジンジンしたりしてない? 痛いところはない? 


大丈夫よ、いつもと同じ、モンダイ無しよ!


良かった・・、なんたって縛るんだからね、体への負担が心配だった。


パンツのゴムと一緒だよ、長い時間着けていると、チリチリカリカリするでしょ?


ゴムと違ってロープは伸び縮みしないからね、君の体を傷つけない縛りを研究したんだ。


長い時間・・? ふ、と時計を見ると・・午後3時近くになっていた。


なんと、6時間近くも縛られていた、いや、赤いロープで編んだ衣装を纏っていた。


ひとやすみしようよ・・、と、手を取ってベッドに誘う。



先に横たわった彼が、隣へ滑り込もうとする私を制し、ね、着替えて‥、と、先ほどの紐フルバックを差し出す。


なんだ、それ、着けてくれるんじゃなかったの・・?


君が着替えるシーンを見たい、これに合うスリップを持って来てよ、で、目の前で着替えて。


いいわ、見せてあげる・・、黒いスリップを選んだ。右の太ももから腰の近くまで、スリットが入った黒いスリップ・・。


スリットから、白い紐パンの結びが、見えるはず・・。


彼の目の前で、グチャグチャになったキャミを脱いで全裸を晒し、彼の手から紐フルバックを取り上げた。


左の紐を仮結びして足を通し、股間へ引き上げて、右の紐を結ぷ。左の仮結びを解き、締めなおす・・


ときに手を止めて顔を上げ、見つめる彼と眼を合わせる・・、私は、オトコを誘うオンナ、を演じようとしていた。


スリップを纏い、スリットから足が出るようなポーズを取った・・どお?・・


素晴らしい眺め、そんな着替えシーン、初めて見せてくれたよね・・、でも、コイツは反応しないってさ。


声を上げて笑いながら、彼の傍へ滑り込み、その小さいままの坊や、チンチンを握り緊めた。



そのまま腕枕状態で抱き寄せ、語り始めた。


さっきの縛り、とても良かったみたいね・・、あれほど喜んでくれるとは思わなかった・・、嬉しい想定外・・。


二回目のフィラチオも、想定外の喜びだった。


これまでに何度もフィラチオしてくれたよね、どれもみな良かったよ、嫌な思いをしたことはない。


でもね、それらはみな、さっきの一回目みたく、ぼくがして欲しいと望み、君がそれをかなえてくれた。


嬉しいことに、フィラチオを拒まれたことは一度も無い・・、オトコにとってこれほどの幸せは無いよ。


だけど、だけど、だけど、さっきの二回目は、特別・・、はっきりと、君の意志だった。


フィラチオしたい、と思って噛みついたでしょ? そう思ってくれたことが、それを実行してくれたことが、嬉しかった。


いま君は、ぼくのチンチンを握っている・・、握りたい、と思って握ってるよね? その思いと行為が嬉しいんだ・・



体を起こして唇を重ね、彼の口を塞いだ。それ以上言わないで・・、暫く眠りましょう・・